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2014/08/13

大人女子のための私服の教科書(2)


女性のファッションコーディネイト、その基礎中の基礎となるのが 『メリ(減り)とハリ(張り)』 です。<前回参照>

では、このコーデを見てください。


「オシャレだけど、私こんなに足とか出せないし」
「かわいいけど、こんなハデな格好、年齢的にムリ~」
「ギャルっぽい服、着ないから」

そうですね。
雑誌やモデルさんのコーデをそのまま自分で着ようとするとムリがあるかもしれません。
でも、コーディネイトの考え方については全てが参考になるんです。
どんな年齢、テイスト、値段のコーディネイトでも、基本は『メリハリ』メソッドによって構成されています。※上級者コーデには例外もあります

それでは、この写真のコーデをメリハリで分析してみましょう。

【柄のメリハリ】
トップス:柄(ハリ)
ボトムス:無地(メリ)

【丈のメリハリ】
トップス:長めの丈、6分袖(メリ)
ボトムス:ショートパンツ(ハリ)

【シルエットのメリハリ】
トップス:ゆったり(メリ)
ボトムス:ピッタリ(ハリ)

【色(明度・彩度)のメリハリ】
トップス:はっきりした濃い色(ハリ)
ボトムス:淡いブルー(メリ)

このようにひとつづつ丁寧に見て行くと、色々な要素の中で「メリ」「ハリ」を取り入れていることが分かります。この服ズバリは着ないにせよ、コーデの考え方はとても参考になりますね。
同じ考え方をお手持ちの服や好きなブランドに当てはめていけば、誰でもオシャレっぽいコーデが簡単にできあがります。
 
「トップスに長袖を着たい場合は、下はショートパンツしかないんですか?さすがに抵抗あるんですけど・・・」

確かに、メリハリの利き具合からいえばショーパンが一番メリハリが効きますが、穿ける人は限られてくるでしょう。その場合は完全な「ショートパンツ」でなくても、「ハーフパンツ(半ズボン)」「ヒザ丈パンツ」「7分丈パンツ」などでも良いでしょう。長袖+長ズボンよりは全然メリハリがつきます。

それ以外にも以下のようなテクニックがあります。

(1)ショーパンにレギンスやタイツを重ね穿き
・・・生足に抵抗がある方にオススメです。ショートパンツを穿いていることに変わりは無いので、丈によるメリハリはちゃんとつきます。ただし、タイツは色や素材(デニール数)を工夫しないと夏場は暑いかもしれません。

(2)丈のメリハリは諦めて、素材・シルエット・色等でメリハリをつける
 ・・・全ての要素でメリハリをつける必要はありません。長袖(メリ)長ズボン(メリ)を着たいなら、その分無地(メリ)柄(ハリ)にするとか、ぴったりめ(ハリ)ゆったりめ(メリ)にするとか、他の部分でメリハリをつけましょう。


と、このようにコーディネイトの基礎はまず『トップスとボトムス』間でメリハリをつけること。
とはいえ、女性服は男性と違ってとにかくバリエーションが豊富です。これからもいろいろ具体例を上げながら解説していきますので、ぜひ参考にしてみてください。

ちなみに、上のモデルさんコーデは、さらに一歩進んだメリハリメソッド『トップス+ボトムス+バッグ』 のメリハリを取り入れていますので、もう一度見てみましょう。



【色味(色相)のメリハリ】
トップス:モノトーン(メリ)
ボトムス:白に近いくらい薄いブルー(メリ)
バッグ:オレンジっぽい明るいブラウン(ハリ)

ここでは『色味』というものさしを使ってメリハリを測っています。
そうすると、トップス&ボトムスだけだと『色味』があまり無い(※)ことが分かります。
(※)青、赤、黄などのカラフル感が無い状態。この場合、デニムショーパンは一応「青」ではあるが、とても薄くかすれた色なのでパッと見の印象はカラフル感が弱い
そこでバッグに色味のあるものを持ってくることで、見事メリハリがついたコーデになるわけです。

「こういうコーデにはオレンジや明るい茶系のバッグがオススメ!」
という限定的なアドバイスだと応用が効かなくて困っちゃうのですが、
「こういうコーデには色味のあるバッグ全てがオススメ!」
であれば、みなさん自由に好きな色を取り入れられますね。『色味のあるバッグ』を足したいわけだから、薄い色さえ避ければ青でも赤でも緑でも、手持ちのバッグでも何でもいいわけです。
新たに買い足す頻度も下がるから、お財布にも優しいメリハリメソッド!





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2014/08/07

大人女子のための私服の教科書(1)


「女性版の大人の私服の教科書を出して!」

というご要望が最近とても多いです。
確かに女性向けのオシャレハウツー本はたくさんありますが、その多くが服やブランドの宣伝だったり、ファッション誌の延長のような内容で、いわゆる“オシャレ超初心者”には不向きな内容です。

★ファッション誌のようなコーディネート提案★
→「なるほどオシャレだけど、私こんな格好できないし」
→「たしかにオシャレだけど、こんな服高くてヤダし」
→「手持ちの服と合わない/合わせ方がわからない」


最近は「30日間着回しコーデ」みたいな、いかにたくさん着回しするか?を具体例としてあげる特集を各ファッション誌が載せてくれているので、まだ参考にはしやすいです。
でも、まずは『基本的なコーディネイトの仕組み・コツ』を理解しておかないと、結局は自力でコーデを組むことができません。

そこで、男性には『K値』というコーディネートの基本的な指針を紹介してきたのと同様に、今日は女性服をコーディネートするための“基本極意”をお教えします。


 ・ファッション超初心者~初心者向けの
 ・どんな服に対しても使える
 ・オシャレの入口、服と服の組合せのための
 ・基本であり、極意

それは、『減り(メリ)と張り(ハリ)』です。


コーデの基本は「トップス(上半身)」と「ボトムス(下半身)」。
そこに靴とか上着とかアクセサリーとか、いろいろな要素がプラスされていきます。
そこで、とにかくこのトップス&ボトムスを『減り(メリ)アイテム×張り(ハリ)アイテム』 の組合せにする!ことを心がけてください。

はい、たったこれだけ。

コーデの大前提、基本の考え方はこれです。
具体的なアイテム例をあげましょう。


【減り(メリ)アイテム】
・無地
・白
・淡い色
・デニム
・ふんわりシルエット
・長い袖/丈
・肌露出度低め
・カットソー(Tシャツみたいな伸びる編生地)
・革/布アクセサリー
・シワ
・リラックスウェア
・ざらざら
・ごわごわ
・女性っぽい
・安っぽい
・汚い、ラフ

【張り(ハリ)アイテム】
・柄物
・黒
・ハッキリした発色の色
・ぴったりめシルエット
・ノースリーブ、キャミ
・肌露出度高め
・ブラウス/シャツ地(伸びない布帛織物)
・金属アクセサリー
・ピンと張った、シワのない表面感
・カッチリ着
・つるつる
・ピカピカ
・メンズっぽい
・高級品/ブランド品
・こぎれい

色、素材、シルエット、アイテム、等など、様々な角度から見たときに「メリとハリ」が両方入るようにしてあげること。オシャレ以前の“超初心者向け服の組合せのコツ”はズバリこれです。


たとえばボトムスがデニム(メリ素材)なら、トップスにはTシャツ(メリ素材)ではなくブラウス(ハリ素材)にしよう、ということ。
さらに、ピッタリめ(ハリシルエット)デニム(メリ素材)であれば、トップスにはゆったりめ(メリシルエット)ブラウス(ハリ素材)にしよう、というふうに考えます。

【ボトムス】①ピッタリめ(ハリシルエット)②デニム(メリ素材)

 →なので、トップスは①②それぞれに反対の要素を持ってくるように・・・

【トップス】①ゆったりめ(メリシルエット)②ブラウス(ハリ素材)


以下の2コーデはどちらもデニムを穿いてますが、どちらがよりオシャレっぽく見えますか?
今までは「なんとなくこっちがオシャレ」と感じていたのが、『メリハリ』で分析すれば何がオシャレの要因かが良く分かります。

<コーデA>

ぴったりめ(ハリ)Tシャツ(メリ)
ぴったりめ(ハリ)デニム(メリ)
→シルエット「ハリ×ハリ」、素材「メリ×メリ」 

<コーデB>

ゆったりめ(メリ)ブラウス(ハリ)
ぴったりめ(ハリ)デニム(メリ)
→シルエット、素材とも「メリ×ハリ」


雑誌や街でとびきりオシャレさんを見かけたら、このメリハリ・メソッドで分析してみてください。
今までは理解不能だったとびきりオシャレなコーディネイトも、意外と分かってくると思います。
注: オシャレ中級者以上になってくると、あえて『メリ×メリ』や『ハリ×ハリ』でオシャレに決める場合もあります。そのあたりのコツもあるんですが、混乱してくるのでここでは割愛します。

ちなみに、以前の記事【トレンチコートを着こなす】でお教えした「カウンターコーデ」という技も、このメリハリ・メソッドの延長です。ぜひ読んでみてください。

長くなってきたので、続きはまた次回!

Enjoy Fashion!! 

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