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2015/12/16

本を出しての雑記

2013年11月に発売となった拙著『大人のための私服の教科書』が、今月ついに増刷3刷となりました。これで累計発行部数は9000部となり、いよいよ夢の1万部に手が届くところまでやってまいりました。
とはいえピース又吉さん著「火花」などは200万部を超えるメガヒットな訳で、それに比べると1万部なんて大したことないようにも思えますが……。それでも、毎日200も300も新作が発行されている書籍の中で、1万部売れる本はわずか1%にも満たないと聞きます。実は私、久保田の著書としては2冊目(加筆文庫化されたものも含めれば3冊目)となる『大人のための~』には、特別思い入れが強いです。前作、前々作はなかなか売上が伸びず、正直本を出した嬉しさよりも出版社様への申し訳ない気持ちでいっぱいでした。だからこそ、今回の書籍は多くのみなさんのお役に立つことができているようで、ようやくホッとしているところです。発売から2年間、流行り廃りの早い昨今にも関わらずコンスタントに売れ続けてくれているのもとてもうれしいことです。

本を一冊書き下ろすには、書いてみて初めて分かるしんどさがあります。例えるならゴールの見えないマラソン(しかも途中給水無し)のようなものでしょうか。当然のことながら、書いたものが全て本になるわけはなく、日の目をみないまま消えて行った原稿も10倍くらいの量あります。(それでも少ない方かもしれませんが)

「でも売れれば疲れもふっとぶでしょう?夢の印税生活ですね♪」

と、本を出すと必ず言われる言葉もすでに2000回くらい聞いていますが、ハッキリ言って今の時代それは夢のまた夢。宝くじ買ったほうが確率高いんじゃ?と思うくらいのレアケースだと思います。活字離れ、紙の本離れが進み、ベストセラーはマンガばかり。ましてや私のようなスタイリストが書いた実用書(ハウツー本)などは、そうそうバズるものではありません。
ちなみに本の印税は10%……というのは”最高値”であり、最初は7~8%スタートがほとんどです。さらに構成・挿絵・共著などが入れば、最終的に著者1人の取り分は3~5%ってところでしょう。となると初版3,000部刷ってもらったとして、1,000円の書籍なら――印税は9~15万円です。しかも、出版社によっては「発行部数」ではなく「実売部数」に%をかけて印税を算出するところも少なくないそうです。つまり、例え10,000部刷っても500部しか売れなければ印税は……もう計算はやめときます。

それでも私の場合、売れれば疲れはふっとびます。それは「誰かの役に立っていることが数字として実感できるから」。たかが服で悩んだり、気後れして派手な店に入れなかったり、パーティやイベントにも腰が引けてしまったり、人と会うのがイヤで引きこもったり、好きな人に話しかけるのを遠慮してしまったり。どれも昔の自分を見るようで、何とかしたくてたまらないんです。
本当に、それなりに見せるためのコーディネートは簡単に誰でもできるものなんです。ファッション誌買って勉強する必要なんてないんです。だまされたと思って(だましませんけど)、一度読んでみてください。

「大人のための私服の教科書」(3刷)
http://www.amazon.co.jp/dp/4864102791

基本理論は”K値(カッチリ値)”というものです。→こちらのページで軽く説明しています。

Enjoy Fashion!!


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